





@FUKUOKA
竣工
福岡県糸島市の斜面地に建つ古家の母屋・離れを、レセプション兼コミュニケーションスペースに改修。2棟をウッドデッキで連結し、母屋にはサウナと海を臨む半屋外空間を設け、離れには日本最高基準のUa値0.24(HEAT20G3)の断熱を施しています。地域資源を活用した環境配慮が評価され、リノベーション・オブ・ザ・イヤー2024<無差別級部門>最優秀賞を受賞しました。
(photo by YASHIRO PHOTO OFFICE)
INC-LINE
基本計画・プロデュース・断熱監修:Japan.asset management株式会社
意匠設計・デザイン・実施設計:株式会社タムタムデザイン
竣工
2024.12.12
本プロジェクトの日本最高基準の断熱性や自然と共生するための工夫、既存の良さと周辺環境を生かしたソフト・ハードのデザインが評価され、リノベーション・オブ・ザ・イヤー2024の無差別級部門にて最優秀作品賞をいただくことができました。
■審査員講評(八久保誠子様/LIFULL HOME’S PRESS編集長)
この建物のクライアントである財団の理念は「雲孫世代まで跨がる、社会と共創する熟達」だという。「雲孫」とは8代後の孫のこと。現代も含めて9世代をつなぐことのできる建物であることが求められた。日本最高基準の断熱が施され(離れ)、外の部材は杉の無塗装、経年変化も楽しめ自然と共生する建物として設計されたこの建物。杭から雨水が地に還元されるという近年の大雨被害にも配慮した工夫が凝らされている。さまざまに考えられ、技術がいかされたリノベーションでありながら、緻密というよりは、糸島の風景と相まってどこか悠々とした時間の流れとゆとりを感じられる。美しい風景とともに世代を跨って愛される建物となるだろう、と思わせてくれるリノベーションである。
▼リノベーション・オブ・ザ・イヤー2024受賞作品・講評
https://www.renovation.or.jp/oftheyear/award.html
2024.5
母屋と離れの2棟をウッドデッキで連結し、母屋にはサウナを整備しつつ、半屋外空間を設けて南側の海を望めるオープンなデザインに。離れには日本最高基準のUa値0.24(HEAT20G3)の断熱を施し、外気に触れる部材は九州圏内の杉の赤身を無塗装で使用。
新築当時の樹木伐採により、地盤が水をためにくい土質へと悪化しており、建物の基礎にも影響していました。そこで、ウッドデッキの支柱にはコンクリートや束石を使わず、糸島の間伐材を焼き杭にし、地表に突き立てることで雨水が杭から地中に還元されるようにして、土中環境の改善を図っています。
工事中
2024.4.12
送風機を用いた減圧法という気密性能試験を行いました。その結果、相当隙間面積 1.65㎠/㎡の気密性能であることが分かりました。
2023.12.22
薬液注入工法により、地盤の一体化による補強体を作成し、 支持力増加を図りました。
2023.
事前の調査において、過去に建物を建てるために植物を伐採したことなどが原因で土壌が乾燥し痩せてしまい、基礎が断裂していることが発覚。
この土中環境の問題は、建物への影響だけでなく、日本の住宅地山間部の各地に多発している自然災害にもつながる現象だという気づきからスタートすることとなりました。
提案完了
2023.
複数の提案プランの中から、最終的に選ばれたのは、今回のプロジェクトを居場所づくりのスタートラインと捉える、ミニマムな改修案。これから地域の皆様で作り上げていくことを前提に、建物用途は定義しすぎず、機能的に不自由なところもありながらも、次につなげていく計画としました。
こうした計画が決まってから詳細設計に入る、というプロセスを踏みました。
そして、財団の理念のように「9世代まで跨る」建築とするには、自然と共存するだけでなく“呼応”することも必要だと考え、設計に取り入れることにしました。
提案中
2023
Inc-lineへは施工会社から「コンセプトワークや全体計画の立案、プレゼンテーションを一緒に取り組んでほしい」とのご相談があり、チームアップをしてプロジェクトに取り組むこととなりました。
まず、施主様がどのように建築計画を進めて良いか分からない状況だったため、コンセプトを打ち出すところから開始しました。
財団の理念は“雲孫世代まで跨がる、社会と共創する熟達”。この理念を反映したレセプションのあり方を、ワードから検討しました。やがて「共生」というワードに辿り着き、「地域との共生」「自然との共生」「人と人との共生」というコンセプトが浮かび上がります。
このコンセプトに基づく空間およびランドスケープデザインを、SketchUp等3DCGで複数パターンを作成し、それぞれ総工費見積と併せてご提案しました。
また、既存建物が無許可増築されたと思われたため、法解釈を含む全面的なコンサルティングも行いました。
相談段階
2022
福岡県糸島市は福岡市内から近く、二拠点居住などでも近年注目されているエリア。
その糸島の斜面地の際に、クライアントである財団が母屋と離れの古い戸建2棟を保有していました。かつて都市計画区域外であった敷地で、当時規制も少なかったことからセルフビルドされた建物でした。
クライアントは既存建物を人を招く場所として利用していましたが、使いづらさを感じ、まず本プロジェクトの施工会社に相談されました。
内山 博文TOKYO
黒田 大志TOKYO
田村 晟一朗FUKUOKA
Juuri Inc.NAGANO
POINT
グッドルーム株式会社TOKYO
基本計画・プロデュース
基本計画・プロデュース・断熱監修
意匠設計・デザイン・実施設計
断熱計画
基本計画
施工