イベントレポート
EVENT REPORT
 
中小ビル再生レクチャーvol.2
「U 35限定 「ニュースタンダードな “不動産仲介” のあり方」レポート」
@Inc-line Tokyo
 
こんにちは!inc-lineメンバーの守屋です。
今回はU35イベントとして「ニュースタンダードな “不動産仲介” のあり方」に参加してきましたのでそのレポートをお届けしたいと思います!
 

 
 
 *オープン前のリノベーション完了したてのA-buildingで開催!
 
 

 
月曜の夜、19時開始ということで、参加者のみなさんも仕事帰りに続々とあつまってきました。 モデレーター内山さんよりゲストスピーカーの紹介。
 
 
 
 

 
今回は東京R不動産・吉里裕也さん、tsukuruba中村真広さんにお越しいただきました!
 
 
 
 

 
(ツクルバ、上場祝いの会場からの拍手も!)
 
今回の会場はinc-lineを運営するJAMでトータルプロデュースした物件で行われました。
都心の小ビルの再生をまちづくりのキーと捉え、単なるハードの再生ではない試みが行われています。
原状回復義務なし、イニシャルカット、ペットOKとすることで、家賃1.5倍する価値を創出しています。
 
 
 
 

 
(サインのロゴも真ん中にいれれば追加工事なしで使えるような工夫が各所に施されている)
 
内山:「まちづくり、リノベーションとして不動産屋さんができことが多い、不動産業のあり方が広がっていることを知ってもらいたい」 そんなイントロからはじまりました。
 
*ツクルバ流、場をあっためる「CHECK-IN」でアイスブレイク! 
 
 
 
 

 
「チェックイン担当の中村です(笑)」
マイクを中村さんに移して行われたのがこの「CHECK-IN」
 
「ホテルのエントリーと一緒。いまこの場にいる趣旨を口にだす!テンション、率直な気持ちをシェアしてみてください!」 近くのひと3〜4人であつまって、今日どんなことを聞きたいと思って来たかをシェアしました。その後2〜3人からどんなことを発表!
 
 
 
 

 
「次の仲介のあり方」
「はじめてのイベント!どんな話をしているか聞きたい」
「証券会社に勤めているが、不動産仲介に派生することがある、高級層にリノベの火をつけたい」
そんな会場からの声も会場全体で共有したところで本編がはじまりました。
 

*リノベーションは事業計画から建物を設計し、建てていくこと
 
 
 

 

吉里裕也 Hiroya Yoshizato
株式会社スピーク代表取締役、R不動産株式会社代表取締役、株式会社TOOLBOX取締役。
京都生まれ、横浜と金沢で育ち東京へ。ディベロッパー勤務を経て、2003年「東京R不動産」2004年にSPEACを立ち上げるとともに、CIA Inc./The Brand Architect Groupにて都市施設やリテールショップのブランディングを行う。建築・不動産の開発・再生のプロデュースや建築デザイン、「東京R不動産」「leallocal」「toolbox」「公共R不動産」、全国のR不動産等グループサイトのディレクション、地域再生のプランニング等を行っている。共編著書に「東京R不動産」「全国のR不動産」「だから、僕らはこの働き方を選んだ」「toolbox」「2025年建築『七つの予言』」等。
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吉里:「元々建築出身、場をどう設計するか、仕組みのデザインも好きだった。リノベーション=事業計画から建物を設計し、建てていくこと」
 
そんなイントロからはじまり、下北沢ケージ、兜町リノベーション、千葉のアウトドアリンビング、公共R不動産などこれまでのプロジェクトに関してプレゼンいただきました。
 
その中で印象的だったのが、下北沢ケージでの出来事。
吉里:「企画の提案はできる。だれが運営するのか!になると止まってしまう。
そのときに『じゃあぼくらが、ということでやる』ということで3年限定ではじまった」
通常ではストップしてしまうプロジェクトも運営まで責任をもって携わることでこれまでになかった公共空間ができあがっていた。
 
 
 
 

 
(物件とそのプロセスをプレゼン)
 
*なかったから自分たちでつくったのが起業のきっかけ
 
内山:「会社を作ったきっかけは?黎明期はどんなだったの?」
吉里:「会社つくったのは30歳のとき。それまでは不動産会社(スペースデザイン)に勤務していた。アトリエ設計事務所にいくと思っていたが、かっこいい住宅をひとつ設計したところで世の中は大きくは変えられない。そもそもそのまちになにをつくるかを考えないと変わらないのでは?」
 
そんなことを想い、当時の会社の同僚でもあった林厚見さんと共に起業したとのこと。
 
内山:「なぜ現在の業態に行き着いたか?」
吉里:「東京、日本で暮らしていて『こんな建物があったらいいな』と思えるものがなかった。それがないからつくるしかないなと思った。
 
そして生まれたのがspeak株式会社だったのだ。

*作品でもなく、ドライな物件でもない。大切にしていた骨董のような家
 
 
 
 
 
 
続いてマイクは中村さんに。起業当時の話から始まりました。
 
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中村真広 Masahiro NAKAMURA
株式会社tsukuruba 代表取締役 CCO
1984年千葉県生まれ。東京工業大学大学院建築学専攻修了。建築家 塚本由晴氏のもとで学ぶ。不動産デベロッパーの株式会社コスモスイニシアに新卒入社、その後ミュージアムデザイン事務所にて、デジタルデバイスを活用したミュージアム展示や企画展などの空間プロデュースを経験。環境系NPOを経て、2011年8月に株式会社ツクルバを共同創業。代表取締役CCOに就任。デザイン・ビジネス・テクノロジーを掛け合わせた場のデザインを行っている。
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中村:「コスモスイニシア出身、入社半年でリーマンショック、そして転職せざる終えない状況に。実はR不動産への転職も考えていた(笑)」
 
 

 
(そんな告白に「今でもお待ちしています(笑)」と吉里さん)
 
中村:「学生のとき、建築家がつくる建築と、不動産情報の間の領域をつくりたい、と就活の面接で話をしていて、『面白い』と言ってくれたのがリクルートコスモスだった。そしてcowcamoで今、(そのときのヴィションを)実現させようとしている。」
 
中村:「作品でもなく、ドライな物件でもない。大切にしていた骨董のような家」をつくっていきたい」
 
そんな想いがcowcamoで動き始めたとのことだ。
 
 
 

 
(cowcamoのシステム紹介)
 
「cowcamo(カウカモ)は文字通り買うかもしれない、くらいの段階から集客できる状況をつくった。そしてユーザーに妄想を2〜3年間してもらって、本当に買いたいタイミングで買ってもらう。ふつうなら接客に人件費がかかるが、アプリを活用するので滞留時間がいくら長くても人件費がかからない。またspotifiやapple musicのようなUIにしていることでユーザーの体験をデザインしている。」
 
cowcamoのベースには「テクノロジーを活用した体験づくり」があったようだ。
 
 
 
 
*ほしいものをつくったのがきっかけ
 
おふたりのプレゼンがおわり、いよいよクロストーク。



 
(内山さんモデレーターの元、ふたりへ質問)
 
内山:「自分でほしいものをはじめたの?ビジネス目線?」
吉里:「ビジネス目線ではないです(笑)立ち上げてから1年間は仕事ではなかった。
面白い物件を知り合いに紹介していたが、数が増えていってめんどくさいから『ブログに載せたからみて!』と掲載をはじめた」
と当時の経緯を話してくれた。このことで一般人と不動産のひとの間で物件に対する認識の翻訳ができ物件の認知の共有できたそうだ。
 
 
 
*だれにどんな情報を届けるのか?
 
東京R不動産ではサイト上のコラム、記事を読んでもらっている状況でソートするように意識しているが、cowcamoでは「買うかも」というコアではない人をターゲットにしている。
 
中村:「(cowcamoでは)テクノロジーでカバーしつつ、セミナーを開催。オンラインとオフラインの間を行き来している」
 
10万人のユーザーをカバーするにはテクノロジーは必要不可欠なのだ。
 
そしてこの両者に共通しているのは「みているだけでたのしい」
つまり、「検索」ではなく「見ている」こと自体が楽しい体験になっているのだ。この展開は面白い!
 
 
 
*テクノロジーだけでは売れない、人を補助するテクノロジー
 
 
過去の不動産は労働集約的モデルであった。限界があるのはわかっていたがみんなその突破口をみつけられていないでいた。
そこに解決策のひとつをつくったのがカウカモなのかもしれない。
 
(中村)「テクノロジーだけでは売れない、人を補助するテクノロジーである。cowcamoは顧客体験を提供している。テクノロジーのおかげで10万人のユーザーにサービスを提供できている。」
 
 
  
*フリーエージェントという働き方
 
 
最後にテーマは働き方に。
ここで話題になったのが「フリーエージェント制」について。
R不動産、cowcamoは、プラットフォームを使い、個人がフリーとして関わっていく方式。海外でこのフリーエージェント制が多いそうだが、日本ではまだ一般的ではなく、今後業界全体でも考えていくべきテーマになりそうだ。
 
 
 
つづいて会場からの質問に移りました。
 
*自社のパワーをつかってなにができるのか?
 
会場からの質問では3社から声があがった。
戸建新築住宅メーカー、仲介業者、メディア。各々の業界から、これからの不動産、まちづくりに対してなにができるのかを問う質問が多かった。
 
そして場は懇親会へ。
時間をオーバーしていたのにも関わらず夜遅くまで残って議論を交わす人がおおかった。
熱気が冷めなかったことから、不動産の今後への熱量を感じることができた。
このA-buildingというリノベーションによって生まれ変わった小ビルからまた次世代のまちづくりのアクションが繋がっていくのを実感した夜だった。
 
 

 
(懇親会は夜遅くまで続いた)
 
Inc-lineではこのようなイベントを定期的に開催し、
不動産やまちづくりに取り組む会社を超えた新しいバリューチェーンを作るためのコミュニティをつくっています。
 
次回情報などは公式facebookでご確認ください!
あたらしいまちづくりをつくっていくコミュニティとして、今後も私も関われることをたのしみにしています。


守屋
 
 
 
 
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